RESULT

DRADITION 2019


後楽園ホール   18:00開場 19:00開始

RAGING OUTLAW TOUR in TOKYO
観衆:1,850人(満員)

大会のポイント

メイン:藤波&越中&獣神Tライガー vs ヒロ&武藤&天山 ※特別レフェリー:蝶野正洋
“あの時”が蘇る! ヒロ斉藤デビュー40周年記念試合 in TOKYO
セミ:長井&KENSO&KAZMA vs 金本&大谷&高岩
トンガリコーンズ、令和の後楽園ホールに降臨!
第3試合:田中&上野 vs 坂口&Sタイガー
団体の垣根を越えた4人の激闘がリング上を駆け巡る!
第1試合:LEONA vs 新井健一郎
LEONAが約1年3ヵ月ぶりに復帰戦!

第1試合(LEONA vs 新井健一郎)
左足首の距骨骨折のアクシデントから1年3か月ぶりのリング復帰となったLEONAは奮い立つ闘志を抑えるのに必死な表情でリングイン。しかしベテランの新井健一郎は、そんなLEONAの闘志をスカし、リズムを崩しつつ試合をリード。LEONAが狙うサソリ固めを巧みに外し、ドラゴンスクリューはDDTで切り返す試合巧者ぶりで主導権を握らせない。
場外戦では2度目の鉄柱攻撃に対して、自ら鉄柱に突進するフリをしつつ滑り込むように先にリングイン。焦ってリング上へと追いかけてきたLEONAを強引な逆さ押さえ込みで押さえ込んで3カウント。新井が若武者の焦りをまんまと逆利用して勝利を飾った。

第2試合(倉島&TAMURA VS タカ・クノウ&三州)
半年ごとに果てしなき遺恨闘争を繰り広げる倉島信行と三州ツバ吉が、それぞれTAMURAとタカ・クノウをパートナーに第2試合で激突。
だが、クノウの的確な関節技と、小回りが利き、機動性の高い動きに定評のあるTAMURAの動きが観衆を魅了しつつ、その合間に倉島とツバ吉がにらみ合い、殴り合いを繰り広げる遺恨戦を繰り広げる。
TAMURAの高速ソバットで一瞬、クノウが悶絶した瞬間を狙って、倉島が豪快なバックドロップで叩きつけ、一気に勝負を賭けようとしたが、落ち着き払ったクノウはフェイント気味の飛びつき式の腕ひしぎ逆十字固めで、倉島の右腕を捕獲。倉島は声にならないうめき声とともにギブアップした。

第3試合(田中&上野 vs Sタイガー&坂口)
ゼロワン(田中将斗)、DDT(坂口征夫、上野勇樹)、リアルジャパンプロレス(スーパー・タイガー)と3団体が入れ乱れたタッグ戦は、鋭い蹴り技と関節技、そして華麗な飛び技が入り乱れる見どころの多い1戦に。
ドラディション2戦目となる上野が持ち前の運動神経を生かした素晴らしい動きで観客席を魅了すれば、そんな上野に対して坂口は殺気溢れる表情と厳しい攻撃で威嚇。田中が安定した攻撃で試合をリードすれば、タイガーは鋭い打撃技で引っ繰り返しつつ、試合は逆転に次ぐ逆転。
最後は田中と上野を分断しつつ、タイガーが軽量の上野にツームストン・パイルドライバーを見舞った瞬間、助走をつけた坂口が上野の顔面にヒザを突き刺す「神の右ヒザ」を炸裂。表情一つ変えずに3カウントを奪い、蹴撃コンビが快勝した

セミ(長井&KENSO&KAZMA vs 金本&大谷&高岩)
90年代の新日本プロレスを席巻した大谷晋二郎&金本浩二&高岩竜一のトリオがドラディションマットで復活。セミファイナルで長井満也&KENSO&KAZMA SAKAMOTO組と対戦した。
ゴングと同時にジュニアの番長・金本とKENSOが激しい張り合い。KENSOは腰のロープで金本の首を締め上げれば、今大会から、これまでの「黒&グリーン」から「黒&ブルー」へとイメージカラーを一新した長井は蹴りまくって、何か得体の知れない怒りを発散。場外乱闘では勢い余った金本とKENSOは、南口の階段にまで遠征して殴り合いだ。
満を持して登場の大谷は観客席の煽りまくっての顔面ウォッシュでKENSOの顔面を痛めまくって吠えたところで、ジュニアトリオが試合ペースを掌握。奇声とともにトラースキックでチャンスを掴もうとしたKAZMAに狙いを絞ると、金本がファルコンアロー、高岩がデスバレーボムで叩きつけると、絶妙なタイミングで大谷がミサイルキックを発射。倒れたKAZMAを標的に金本がムーンサルトプレスから3カウントを奪い、変わらぬ人気と名トリオぶりを証明した。

メインイベント(藤波&越中&ライガー vs ヒロ&武藤&天山 ※特別レフェリー:蝶野正洋)
ドラディションを支えるベテラン・ヒロ斉藤のデビュー40周年メモリアルマッチは、全員が新日本プロレスで一時代を築きつつも、現在は新日本(獣神サンダー・ライガー、天山広吉)、W-1(武藤敬司)、ドラディション(藤波辰爾、ヒロ斉藤)、フリー(越中詩郎)と立場を変えた6選手、そして特別レフェリーの蝶野正洋が再び1つのリングに集結する形で実現した。
まず初めに藤波がリングイン。それぞれの入場テーマ曲とともに天山、ライガー、武藤、越中が揃い踏みして、最後に主役のヒロが登場するという演出。
試合前の花束贈呈後に登場した特別レフェリーの蝶野正洋が、予想をはるかに上回る「黒いジャッジ」を実行し、リング上は早くも不穏な空気に包まれる。nWoジャパンの同士であったヒロ組のチェックは、ほぼノーチェックで済ませつつ、藤波&越中&ライガーに対しては爪の先から頭髪、服装、レフェリーに対する態度や言動まで事細かくチェックし、何やら注意する始末。そこには公平性のカケラもない。
ゴングと同時に天山が「来いよエッチュー!」と懐かしい掛け声とともに越中と激しくぶつかり合う。ヒロが登場すると同時にライガーがリングインし、腕取り、手四つ、メキシコ式の流れる攻防からサーフボードストレッチで早くも先制。反撃できずに苦しむヒロの背中に獣神がツノを突き刺しつつ挑発するが、蝶野レフェリーが巧みに割って入り、かなり強引にブレークを命じる。
武藤が越中にSTFを仕掛ければ、すかさずカットに入ろうとしたライガーを身を挺して制止。そんな不公平な攻防を続けているうちに、藤波組の標的はヒロ1人に集中することに。場外に叩き出されたヒロはライガーのスライディングキックを浴び、エプロンから飛んだ越中の尻爆弾が顔面直撃する屈辱を味わい、ライガーにイスで脳天を打ち抜かれ、さらには場外マットを外した状態で越中とライガーによる合体パイルドライバーの餌食に…。ヒザの悪い武藤も、面倒くさがる蝶野も敵陣営の場外にまで駆けつけて来ないことが原因だ…。
その後もライガーの張り手、掌打に青息吐息となったが、ダッシュしての掌打を間一髪でキャッチしてのヌカドーラでようやく反撃開始。セントーン発射でペースを握り返すと、ここから旧nWoジャパン軍が蝶野レフェリーも込みで大反撃開始だ。
蝶野レフェリーがケンカキックの連発でライガーと藤波を蹴散らし、武藤が藤波に対して、掟破りの逆ドラゴンスクリュー発射。方向感覚を失った藤波が棒立ちとなった瞬間を狙って、武藤がシャイニング・ウィザード、蝶野がシャイニング・ケンカキックで挟み撃ち。後楽園ホールの天井を仰ぎつつ倒れた藤波にヒロが万感の思いでセントーン落下し、16分55秒、片エビ固めで3カウント。キャリア42年目にして藤波から初めて3カウントを奪うというサプライズとともに、自らのメモリアル大会を締めくくった。
だが、ヒロにとって本当の試練はここからだった。すぐさまリングを降りようとしたヒロだったが全員に阻止される格好で40周年セレモニーがスタート。

ヒロ斉藤 40周年記念セレモニー
まずはマイクを握った蝶野が「狼群団、nWoジャパン、T2000と、いつもヒロさんに操られてきました」と、これまでの悪事の数々がすべて、ヒロの指令であったかのように印象操作する「黒い祝辞」で大先輩であり、良きパートナーであったヒロに感謝の言葉を述べる。藤波も蝶野のレフェリングにクレームをつけつつも、終わったことはノーサイドとして「しかし、まだまだ40周年!」とエールを送りつつ、サプライズゲストとして今年6月に引退したばかりの長州力さんをリングへと呼び込んだ。
目が泳ぎ、挙動不審な表情のヒロとは対照的に、長州さんは「チョビ(※ヒロの若手時代からのあだ名)よく頑張ったな。一生懸命トレーニングして頑張れよ」と明瞭簡潔にエールを送った。
そんな長州さんよりも、先にリングを降りようとしたヒロだったが、蝶野や天山、ライガーに捕獲される格好で、無理やりマイクを握らされ、「今日はありがとうございました。藤波さん、ありがとうございました」と言うのが精いっぱい。
1秒でも早くリングを降りようとするが、周囲がそれを許さない。後輩・天山からはキス攻撃まで受けつつ記念撮影を実施。会場は硬直した表情となったヒロ以外の全員が笑顔に包まれ、最後までらしさ全開の40周年セレモニーとなった。

試合結果

第 1 試合 シングルマッチ 20分1本勝負
× LEONA
7分22秒
掟破りの
逆逆さ押さえ込み
新井健一郎 ○
第 2 試合 タッグマッチ 30分1本勝負
TAMURA
× 倉島信行
8分43秒
飛びつき
腕ひしぎ十字固め
三州ツバ吉
タカ・クノウ ○
第 3 試合 タッグマッチ 45分1本勝負
× 上野勇希
田中将斗
12分27秒
神の右膝から
片エビ固め
坂口征夫 ○
スーパー・タイガー
セミファイナル 6人タッグマッチ 45分1本勝負
スペシャル6人タッグマッチ
× KAZMA SAKAMOTO
KENSO
長井満也
19分34秒
ムーンサルトプレスから
片エビ固め
高岩竜一
大谷晋二郎
金本浩二 ○
メインイベント 6人タッグマッチ 60分1本勝負
ヒロ斉藤 40周年記念試合 in TOKYO
獣神サンダー・ライガー
越中詩郎
×藤波辰爾
16分55秒
セントーンから
片エビ固め
天山広吉
武藤敬司
ヒロ斉藤 ○

  特別レフェリー:蝶野正洋

試合写真
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